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そうありたいな…というブログ名にしてみた

2015年の振り返り

2015年も終わって2016年になりました。昨年の「1年の振り返り」をしてみたいと思います。一応,これまでの通り,観点は以下の通り。

1) 授業、2) 研究、3) センター内業務・学内業務、4) 家族、5) 趣味

1) 授業

前期・後期ともに,オーラル・リーディングのいずれかは感覚的にうまくいっているのだけど,片方がいまひとつの感じになってしまう。進め方などは型がだいぶ決まってしまっているので,それを今後どう破っていくかが課題ではないかなぁと思う。

前期に実施したアドバンストは元々少人数の履修者ではあったけど,みんなよく頑張ってくれたし,こちらとしても意図を明確に持って(プロソディの指導をしっかりしたいというもの)実施することができた最初の授業になるかもしれない。それまではいわゆるテキストの目次的な母音・子音・プロソディの順番で,型にはまった形での授業だったけど,今回はそれをうまく変えることができたかもしれない。

現在も進行中の後期は,リーディングのクラスでは読みと書きを比較的うまくブレンドすることができているような気がする。また,学生の取組みもとても熱心で,頑張って読もうとしてくれるし,頑張って書こうとしてくれている。一方のオーラルは,少し難しさを感じている。この点は改善の余地が大きい点だと思う。

今年実施しているのが,Communication cardと称しているが,「大福帳」である。毎回一言書いて返すのは骨が折れるけれども,これまでよりも学生一人一人の顔が見えるし,つまづきやよかったポイントなどが少し見えやすくなっている気がする。来年度以降もこのフォーマット自体は取り入れていきたい(物としてのカードにするか,moodleなどで実施するか,あたりは検討するが)。

2) 研究
2014年と同じく,業績内容というよりも,その動き方や進め方で,自分の力の無さを痛感した年でした。これについては,継続的に改善を試みていかなければなりません。

さて,2015年ですが,業績は多くはないのですが,それなりに外へ出てお話をする機会を得ることができました。

4月に横川先生の科研のミーティングがあり,そちらで簡単な研究レビューのような発表をさせていただきました。これはどのような地点に自分がいるか,自分の興味関心と横川先生の科研の中身との接点を図る上でもとても貴重な経験でした。

3月に広島大学外国語教育研究センターのシンポジウムに呼んでいただき,プロソディの指導について,同じく10月には北海学園大学の英語教育研究会に呼んでいただき同じトピックでお話をしました。磯田先生との共同研究で,これについては一番進めたかったもので,なんとか進めることができているのが大変嬉しいことです。関連する形で,8月には熊本での全国英語教育学会で共同にて口頭発表を行いました。年末までには中尾先生の退職記念論文集に,論文を寄稿し,2016年2月ごろに出版の予定です。

8月の熊本での全国英語教育学会では,上に書いた磯田先生との共同発表だけでなく,広島大学の山内先生と鬼田先生とご一緒させていただき,口頭発表をもうひとつ行うことができました。これについては論文にして投稿していますが,どうなりますか…。

広島修道大の大澤先生・中西先生編集の書籍「広島修道大学学術選書64 eラーニングは教育を変えるか Moodleを中心としたLMSの導入から評価まで」に,少しですが書かせていただいたものが出版されました。商業ベースに乗るような書籍に書かせていただけたのは大変光栄でした。また,4)でも触れていますが故前田先生の遺稿が掲載されてもいるので,この点でも私は光栄に思っています。

また,橋本先生の科研で ,オーストラリアのアデレードにてポスター発表を行うことができたのは大変嬉しかったです。外国語訛りを持つ英語を日本人英語学習者が聞いた際の反応をまとめたものです。橋本先生と指導院生のお二人におんぶに抱っこではありましたが,国際学会での発表を経験させていただきました。幸い,隣のポスターが杉野先生と山川先生だったのもあり,先生方ともたくさんお話をさせていただくことができ,よい学会参加となりました。

ポライトネスの方が頓挫してしまったのは痛い。私の考え違いがあったのもあり,いろいろと後手に回ってしまい,うまく作業ができなかった。とは言え,何かしらの成果をという点は年度が終わるまでの課題なので,最後まで諦めずにあがこうと思う。

学会関係
6月で関西英語教育学会(KELES)の事務局を担当して1年が経過しました。それでもよく分からず,バタバタと過ごしています。私のような人間に,各種の企画は難しいです…。が,幹事会の先生方や会長・副会長,その他多くの方々のサポートのおかげで,なんとか進めてはいっているかなぁという状況です。

3) センター内業務・学内業務
相変わらずできてないですね…。いろいろとご迷惑をおかけすることが多かったように思います。英語部会でもまた時間割を担当しましたが,今回はカリキュラム改変時でもあり,なかなかに難しいものでした。

4) 家族・など
2015年には父の一周忌を迎え,お墓に納骨もできました。区切りと言えば区切りは一つつきましたが,やはり折りに触れ,とてつもなく悲しくなる時があります。また,子供たちとの触れ合いの中で,思い返したり,想像してみたりという時間が多くありました。

そしてまた,「大学時代の後輩・大学院時代の同級生・同門の研究者・同業者」であった前田啓朗先生の一周忌もやってきました。彼の法要兼研究会にも参加し,また思いを新たにしました。

息子は小学校2年生に進級し,がんばって通っています。学童での生活にも慣れてきて,いろいろな行事も1年で経験した分,少し余裕が見えてはきました。とは言え,まだ2年生,心と身体がついていかないところもたくさんあり,親である私たちもなかなかついていけないこともありました。親子ともに試練の時であったのは間違いありません。

娘は保育ルームに楽しく通うことができていました。11月ぐらいで仲良しのお友だちが転園することになり,心配しましたが,それ以後も元気に通っています。言葉もしっかりしており,時に過ぎることもありました。10月頃に病気にかかり,しばらく病児保育の世話になることも多かったですが,なんとか元気に過ごしてくれています。

奥さんは4月から新たなチャレンジを始め,それによる家族の動きの変化が一番大きかったかもしれません。

5) 趣味
音楽はちょいちょいiTunesでひっかけては落としてみたり。年の途中ではAppleMusicが登場して,それでつまみ食い的に音楽を聴いているという感じだろうか。

映画はたまに数本見たいものを見たかなぁという程度。あとは息子や娘と子供向けの映画を見ることがほとんどだなぁ…。英語字幕付で見たいのに吹き替えで見ることがほとんどで残念…。

HuluやNetflixが登場し,海外TVドラマ好きとしてはとてもよいインフラが整った。Lutherもそうだし,House of Cards,The Big Bang Theoryなんかもお気に入り。奥さんもGleeが好きなので,これは継続できそう。子供たちもアニメを見てます。

また書き足したり,削ったりするかもしれないけど,とりあえず,こんな感じで一旦置きます。

【研究メモ】北海学園大学英語教育研究会第4回研究会セミナー

北海学園英語教育研究会主催の「北海学園大学英語教育研究会第4回研究会」にて,特別セミナー「もっと授業にプロソディ指導を!」を行いました。

前半は,私が担当して,提案する原則の基盤と言えるところを説明しました。後半は,共同研究者の磯田先生が,その提案を用いて授業実践に活かすにはどうすればよいかについてお話しました。

教員の方々,教員志望の方々に聞いていただき,タイトル通り授業でもっとプロソディ指導が取り入れられることを願っております。

発表時のスライドと配布資料を以下に置いておきます。よろしければご覧下さい。




個人的には,北海道はまだ2回目で,ろくに観光もしていないのですが,とにかく食べ物が美味しいので,2回とも充実した札幌滞在となりました。

【研究メモ】JASELE熊本での発表(8月22日・23日)

第41回全国英語教育学会熊本研究大会(8月22日・23日@熊本学園大学)にて,「核配置を重視したプロソディ指導—教科書本文を活用した指導法の提案—」と題した共同研究の発表を行いました(共同研究者は磯田貴道先生@立命館大)。

発表時のスライドを以下に置いておきます。よろしければご覧ください。




また,もう一件,広島大学の山内優佳先生@広島大学との共同研究の発表「英語の音声単語認知における誤りの分析」も行いました。

2014年の振り返り

2014年も終わって2015年となってしまいましたが,「1年の振り返り」をしてみたいと思います。一応,これまでの通り,観点は以下の通り。

1) 授業、2) 研究、3) センター内業務・学内業務、4) 家族、5) 趣味

1) 授業
少し型ができてきたのもあり,逆にそれに拘るというか,凝り固まるような感じが出てしまい,動きが柔軟ではなくなってきているような感覚を覚えてしまいました。

良かったこと

悪かったこと

2) 研究
うーん,2014年は辛かったなぁ。業績内容というよりも,その動き方や進め方で,自分の力の無さを痛感しました。

3) センター内業務・学内業務
ちゃんとできていませんでした。本当に申し訳ない思いでいっぱいです。

4) 家族・など
2014年は私自身が本厄で,奥さんは育休明けの職場復帰,息子は小学校入学,娘は保育園入園(入れず結局保育ルーム),という激動の一年でした。


また,何よりも辛かったのは,年明け早々から闘病していました父親が6月に他界したことでした。もっともっと息子と娘の成長を見守って欲しかった。もっともっと父と話しがしたかった。

ぽっかりと空いた心の穴は埋められることなく,もっと深くえぐってきました。

それは,更なる辛い別れでした。「大学時代の後輩・大学院時代の同級生・同門の研究者・同業者」である前田啓朗先生の突然の死でした。愛憎渦巻く…とはよく言ったもので,彼にはいろいろと思いはあるのですが,彼がいなくなってから此の方,何か心の中がふわふわした毎日になってしまいました。

5) 趣味


途中だけど,ここで一旦出しておく。

Luther


ひょんなことからhuluに入って,ちょろちょろとみている。メインは息子用の妖怪ウォッチなのだけど…。

で,イギリスの刑事ドラマ "Luther" が面白い。実はamazon.ukでDVDボックス買ってたんだけど,積ん観るだったのだ。


【研究メモ】English Journal(6月号)

2014年6月号のEnglish Journalでは,「決め手はリズムとイントネーション『発音いいね♥』と言われたい!」(pp.18-35)と題された特集記事がありました。記事の執筆は,発音指導で著名な靜哲人先生でした。

「これは読まねばならぬ!」ということで,備忘録メモを。

日本人的英語は「抑揚がなく平板」,「一本調子」であるという特徴が、その逆が英語らしい英語に「強弱や抑揚があって,メリハリがあり,なめらかに聞こえる」というもの(p.19)。英語の特徴をこのように表現するも,一般的にはただただ強く読むだけ、という傾向があるのも確か,「強さ」に「高さ」,「長さ」,そして「明瞭さ(不明瞭さ)」も加えておく必要があるという点は重要です。ここは私自身も実感があります。

そして,音節のお話に移行して,靜先生の著作を見ている人ならご存知の「ポンポンメソッド」です。音節の固まりを意識して,いわゆる第一強勢を大ポン,第二強勢を中ポン,それ以下の弱強勢を小ポンとして,大ポンのところは「強高長明」あるとするもので,本文の例だと,
de-part-ment 小 大 小   ポ ポーン ポ
となるというものです。こうした音節の固まりへの意識は,語単位から句単位,文単位に至るまで持ち続けることができると説明されています。


特集では,語から句,更には文に移行して,最後はSteve Jobsの演説でオーバーラップさせて練習するという流れになっています。

(勝手に自分に引きつけての覚え書き…)
ここのところ,手前みそで厚かましいですが,こちらの話と重なるので私としても注目しているのです。「音節構造から語強勢,句,文強勢,リズム・イントネーションをトータルで関連したものとして扱う」上では,この固まりの意識を十分に持つ必要があるからです。

後はこの特集で取り上げなかった点としては,核配置がユニットの最後にくるという原則あたりや,「イントネーション」とは題されていたものの,いわゆる上げ下げのような文末音調 など,については取り上げていませんでした。この辺り,いずれも意図的に外しているのかな,とも思いました。

前者は,時期を見て次に取り上げるのでは?という勘ぐりがあります。というのも,Jenkinsあたりでも述べられていることですが,あまり文末の上げ下げなどを騒ぐよりも核配置に意識を持っていった方がよいのでは,という主張あたりからも,あえて取り上げていないのではないかな,などと思ってこの記事を読んでいました。

ここは自分自身も注視しながら,自分たち自身でも指導について提案できるように頑張りたいなと思っています。